International Migrants Day

外国人労働者の実態と問題点 2/2

LUM(ラム)本多 ミヨ子さんのレポート、『外国人労働者の実態と問題点』後編です。

在留資格「特定活動」拡大の問題点

ここ数年、特に気になるのは在留資格「特定活動」の増加である。現在「技術・人文知識・国際業務」「技能」「永住者」「定住者」など27の在留資格が定められている。このうちのひとつ「特定活動」は「法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動」と定義されており、26種に入らないもの、いわば「その他」のようなものである。これまでは例えば外交官の家事使用人、日本の病院に入院して治療を受ける患者およびその付添の人など、特別な事情がある場合に認められることが多く、働くことが出来る特定活動はワーキングホリデーなどごく限られたものだったのである。

しかし最近大きく変化してきた。2014年建設分野の元実習生、2016年製造業労働者と国家戦略特区による家事支援労働者、2018年日系人4世および国家戦略特区での農業労働者と矢継ぎ早である。特定活動は「個々に決める」ことができるので、雇用主変更の禁止、滞在年数、年齢制限、家族帯同の可否(ほとんど不可)、日本語要件など使い勝手をよくするためにさまざまな要件、制約をつけている。在留資格を「特定活動」にしてしまえば何でもできるかのような動きが多くなってきた。これは一定期間のみひたすら働かせて数年で帰らせる仕組みであり、人間らしい働き方ではない。「特定活動」での受け入れはやめるべきである。

在留外国人のうち、いわゆる単純労働ができる在留資格滞在者の人数及び割合

終わりに

日本はこれまで「日本にとって有用な高度人材は積極的に受け入れるが、いわゆる単純労働者は受け入れない」を基本方針とし、時代が変わってもこの方針を変えようとはしない。しかし近年少子高齢化が進む中で、人手不足に悩む経営側からは安い外国人労働者を受け入れたいと強い要望が出されており、「単純労働者は受け入れない」という基本方針は変えずに、なんとか経営側の要望に応えようと画策し、日系人対象の定住ビザ、国際貢献という建前の技能実習制度を創設し「単純労働」を担わせた。しかし少子高齢化は加速度的に進み、それでも労働力不足は補えずさらに「特定活動」を利用して外国人労働者を増やそうとしているのみならず、2018年6月に出されたいわゆる「骨太の方針」で明らかにされたように、新しい在留資格を創設し今後も外国人労働者を大幅に拡大する方針を決めている。

安倍首相は「移民政策はとらない」と何回も明言し、労働力としての外国人はほしいが生活者としての外国人にはいてほしくないとの考えをあらわにしている。いわゆる「単純労働」のできる在留資格を持つ外国人は86%以上にもなっているのである。「単純労働者は受け入れない」はすでに破たんしている(図表参照)。さらに、永住者、定住者など身分関係に基づき在留している外国人は全体の56%にのぼり、定住化傾向は年々顕著になっている。いくら「移民政策はとらない」と強調しても日本はすでに移民社会なのである。

外国人労働者の労働環境は劣悪である。労働基準法がまったく機能していない職場も多い。これは政府が本気で外国人と共生していこうと考えていないことに一因がある。数年働いて帰ってほしいと考えているところからは、人間らしい労働環境を整備しようという発想はわいてこない。多彩な文化を持つ人々との共生は、日本社会をゆたかにする。包括的な移民政策を考える時期がきていると考える。